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ゆ く え ©1980

なら
殺せばいい
というと
また

あなたは

あなたは
あいしている
と いう
あなたは
さあ
と いう
なのに

あなたは
けっして
はじまら
ない
あなたは

いつも
とちゅう

いつも

さあ
と いう
なのに

とちゅう

はじめよう

けっして
あなたは
はじまら
ない

あたしは
ひくく
かんでいる

どこから

さあ
どこから
なにから

うちに
ひろがる
ねつが
はっさん
され

うちがわ
から
すこし ずつ

ぼんやりと
あたため られ

かんでいる
ところ
から
とけ て

ながれる

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晴 天 ©1980

だれかが やってきて
つれていってくれれば
それで いいのだ

なるべくなら
すこし むくちな ヒトが
やってきて
おとこでも おんなでも
かまわない から
つれていってくれれば
いいのだ

あたしは
だまって
なきながら おそらくは
はげしくていこうしながら
つれていかれれば
それで
いいのだ

あたしの 今日は
それですこしは
かわるのだ
あなたの 明日は
それで すこしは
かわるのだ

かたむきが
かわるのだ
へだたりが
かわるのだ

よけいなじかんを
ともに すごして
ふつりあいな まま
ちからを たもつことは
ない

このへやは
もう いっぱい なのだから
まず あたしから
捨ててゆかれるのが
いい のだ

かたむきと
へだたりが
まじわる 点に
なにも へばりつく必要は
ないのだ

だから
だれかがやってきて
つれていってくれれば
それで いいのだ

あたしは
だまって
からだを ひやして おそらくは
2本のアシを とじたまま
つれていかれれば
それで いいのだ

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別れがたくて ©1986

かさかさに晴れ上がった
日曜の昼下がり
あなたは立ったまま
わたしはすわったまま
意味のない言葉を
いくつもかわした
別れがたくて
ただそれだけで
遠くで柴犬が悲鳴をあげ
ジェット機が青空をよこぎる
日焼けしたカーテンが
風にゆれる安普請のアパートの窓の近く
ふたりはそっぽをむいたまま
かわいた声で
意味のない言葉を
放り投げ続けた
それより意味のあることは
ほかになかったので
なにも
みつからなかったので

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