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 L u c y  ©2002

毛布をはなさないライナスの
ヘアスタイルのことで悩んでたんだ僕は
右と左で色の違うソックスをはいてても
気がつかないほどのぼんやり屋なのにさ
ときどきへんなことが気にかかる
栗のイガって何本くらいあるのかなとか
13階の研究室の窓をこの前磨いたのは誰なんだろうとか
そうやってすぐにまわりのことを忘れちゃうんだ
だから自転車を押しながら
黙って隣を歩いてた君のくちびるが
何かつぶやいているみたいに不思議な動き方をしているのを見て
またヘマしたんじゃないかとあわてちゃったよ
どうしたのってきくと
47×68を暗算してたのって君は笑った
クルクルと肩の上でカールした短い髪が
真冬なのに5月の空めざして飛ぶヒバリの歌みたいにひるがえって
そのとき僕はすべての悩みを忘れたんだ
前にもこんなことがあったな
たしかあれは君のふるさとの街の洪水のあとだった
 「水がひいた道路に
 おぼれたぬいぐるみが残ってたの
 何もかも流されたのにさ」って君は言ったね
君のガラス玉みたいな目を見て
僕は理解したんだよあのとき
世界をね
それからルーシー
君のオツムは最高にイカしてるって

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