12月22日(水)くもり
ふたりが別れた理由はたくさんあるが
(いまだお互い検討中)
別れた後の
私の行動がいけなかった
まず殿を激怒させた(らしい)のは
私が殿の友達とつきあいだしたことだ
(ごめん)
そしてその後
「すじみち事件」が起こった
私が18の冬に書いた一篇の詩を
『現代詩手帖』に投稿したら
それが新人作品欄に掲載されたという事件である
(これがふたりの間の「事件」だとは
つい先日まで私は知らなかったのだけど…)
事件が起こったのは次の年の五月のことで
(作品を書いたのは冬なのだが
それを編集部に送って当落が決まるまで
何ヶ月ものタイムラグがあったのだ)
掲載作品は「すじみち」
この作品は
友人の女とそのカレのふるまいを題材にして書いた詩なのだが
よく読まなかった殿は
(つきあってるときも「詩はわからんのだ」と言ってはいたが)
今度は私が
そこに登場する男を好きになったと勘違いした
(のだそうだ)
その男も殿の友達だった
けしからん!
と殿が思ったのかどうか…
(今ならよくわかるのだが
当時から殿はギリニンジョーのヒト、なのでした
なんせ島育ちとはいえキュウシュウダンジ!)
とにかく私は「けしからん女」ということになったらしい
(殿の周囲の男達のあいだでは特に…)
そんなことにはおかまいなく
三叉神経痛とウツに悩みつつ
私は詩を書くことに夢中になってゆく
『富岡多恵子詩集』と『堀川正美詩集』が
当時の私のお気に入りで
「群像」に載った村上春樹の
『風の歌を聴け』を読んだのもこの年
ときおり殿は
思いがけないときにやってきて
思いがけないことを言って
あるいは何かしら書いて
(殿は私のらくがきちょうによく何かを書いていた
ちなみに殿はすごく字がうまい)
帰っていった
すっかり嫌われている
と私は思っていた
べつに嫌われてたっていいんだけどさ
とも思っていた
言いたいことがあるんなら
はっきり言えばいいのにさ
なんて…
ある日
私の部屋の前の下駄箱のうえに
一本のカセットテープが置いてあった
『新月』という日本のロックバンドの
アルバムがダビングされていた
(手渡ししたという説もある。両者記憶があいまい)
置いていったのは殿で
たぶん聴けということなんだろう
と思って
私はちゃんと聴いた
おもしろいアルバムで
でも
少し難解だった
というか
殿のメッセージがよくわからなかった、というべきか…
とくにロマンチック
というような音でもなかったから
殿のほうに
何か言い残したことがあるのだということはわかった
けど
それが何なのかはわからなかったのだ
そして
いわゆる「総括事件」(成田こたつ事件後編、ともいう)が
起こるのである
今日は、ここまで
P.S.
相次いで名種牡馬が死んだ
ノーザンテーストとミスワキ
私はミスワキが好きだった
アメリカの牧場で一度だけ会ったことがある
年より若く見えるタイプの馬だった
そのときミスワキと一緒に撮った写真はたからもの
もともと美人じゃないけれど
私はすごくうれしいとすごくへんな顔になる
だから
すごくうれしかったときの写真は
みんなへんな顔
ミスワキと一緒の写真も
すごくうれしくて
私はへんな顔になっている
ミスワキのほうは
あほらし
っていうような
眠い目をして写っている
ミスワキが死んだあとでそれを見ると
へんな気持ちになる
写真って不思議だ
P.S.2
Noboruさま 五島の観光資料ありがとうございました
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